来年ブレイクするのは誰? BBCの名物新人リスト「Sound of 2019」から見えてくる2019年の「顔」

来年ブレイクするのは誰? BBCの名物新人リスト「Sound of 2019」から見えてくる2019年の「顔」

年の瀬恒例、今年もBBCの「Sound of 2019」のロングリストが発表になった。「Sound of」は新しい1年に活躍が期待される新人のリストで、このロングリストから最終的に上位5組が選出され、年明けに発表される。
https://rockinon.com/news/detail/182295

ちなみに昨年の1位はシグリット。2位はレックス・オレンジ・カウンティだった。過去にはアデルサム・スミスが1位を獲ったこともあり、ブレイク新人を占うリストとしての信頼性はかなり高い。ここではそんな「Sound of 2019」の傾向をおさらいしつつ、新年に備えるとしましょう。


候補者はわずか10組。史上最少規模となった「Sound of 2019」


今年の候補者はDermot Kennedy、Ella Mai、FLOHIO、Grace Carter、King Princess、Mahalia、Octavian、ROSALÍA、Sea Girls、Slowthaiの計10組。例年ノミネート段階では15組前後ピックアップされてきたことを思えば今年は異例の少なさで、予めかなり絞り込まれたロングリストだと言える。
まずはUKシンガー・ソングライターの王道(アコギ×ソウル・ボーカル×エレクトロ)をいくDermot Kennedyの“Power Over Me”から。



ヒップホップ、R&Bの優勢変わらず


早くもアデルのような貫禄を漂わせるGrace Carterや、ブリット・アワーズのクリティック・チョイス(新人賞)にもノミネートされたMahaliaと、「Sound of」で伝統的に強いR&B、ソウル・ディーバは今回も同リストの主流だ。



また、名門ブリット・スクールをドロップアウト後、ホームレスも経験したというOctavianや、マイク・スキナー的なナラティブとショッキングなMVで注目を集めるSlowthaiら、相変わらずヒップホップ勢も強い。ただし、ノミネートの多さに対してラッパーの1位受賞はほとんどないので、今回こそそのチャンスになるかも? ちなみに2015年度のストームジーは3位、2012年度のフランク・オーシャンは2位だった。




ガールズ・パワーは2019年も続く


ミツキの新作『ビー・ザ・カウボーイ』やスネイル・メイルのデビュー・アルバム『Lush』が各種クリティック・ポールで高い評価を獲得するなど、2018年は女性シンガー・ソングライターの活躍に勇気付けられるように、ジェンダーや人種を含めた多様性がポップ・シーンで叫ばれた年だった。

10組中6組を女性アーティストが占めた今回の「Sound of」は、その潮流が来年も続くことを予想させるものとなっている。新世代のクィア・アイコン、キング・プリンセスのエントリーも嬉しい。



ブレイク予想? いや、既に大ブレイクしています


「Sound of」の選出基準はいまいち曖昧で、シングル1、2枚しかリリースしていないアーティストを青田買いする一方で、既にデビュー・アルバムをリリースして結果を出しているアーティストを改めてプッシュしたりもする。例えば“Boo’d Up”でブレイクしたR&Bポップの新星エラ・メイは、デビュー・アルバム『エラ・メイ』が全米5位でゴールド・ディスク獲得。来年のグラミー賞にもノミネートされているので今更感は拭えない。


さらに言えば近年のラテンブームの中から登場し、新世代フラメンコで大ブレイクしたROSALÍAは、2019年どころかまさに「2018年の顔」でしょう!



そしてギター・バンドはついにわずか1組に


ロングリストが10組に絞られた結果、「バンド」でエントリーしたのはSea Girlsのわずか1組になってしまった。ソロ・アーティストがリストの大半を占める傾向は数年続いてきたものの、昨年はペール・ウェーヴススーパーオーガニズム、一昨年もアマゾンズとCabbageとなんとか2組は死守してきたのだが……。

ちなみにSea Girlsは現時点ではリリカルなインディー・ギターポップの枠内にいるバンドだが、この曲(↓)などにはコールドプレイ的なポテンシャルも感じられるので期待したい。



「Sound of 2019」の最有力は誰?


では、この10組の中でもとりわけ「2019年の顔」に呼ぶにふさわしいアーティストは誰なのか?ここでひとつヒントになるのが、「Sound of」以外の新人リストにもエントリーしていることだ。

例えばVevoの注目ニューカマーのライブ動画企画、「Vevo DSCVR」も極めて影響力の強い新人リストのひとつ。昨年はシグリット、ペール・ウェーヴス、スーパーオーガニズム、ビリー・アイリッシュ、IAMDDBらが「Sound of」と「Vevo DSCVR」の両方にエントリーし、最終的にシグリットが「Sound of 2018」を制したことからも、このふたつのリストの相関関係は見逃せないのだ。


ちなみに今回の「Sound of 2019」候補で「Vevo DSCVR 2019」にもエントリーしているのは、現時点でサウス・ロンドンのアンダーグラウンド・シーンから登場し、アグレッシヴなラップで頭角を現したFLOHIOのみ。果たして結果はいかに?! 発表は来年1月11日です。(粉川しの)
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