越境と熱情のフォーク・ミュージック――ア・ホーク・アンド・ア・ハックソー初来日ツアーについて

越境と熱情のフォーク・ミュージック――ア・ホーク・アンド・ア・ハックソー初来日ツアーについて

知らない土地への豊饒な音楽の旅。

90年代USインディにおける伝説的バンドであるニュートラル・ミルク・ホテルのメンバーのジェレミー・バーンズとそのパートナーのヘザー・トロストのデュオ=ア・ホーク・アンド・ア・ハックソーのライブは、そんな形容をしたくなる熱気が感じられるものだった。

のっけからイランの打弦楽器であるサントゥールを叩きまくるジェレミーと、中近東のスケールによる妖艶なメロディをバイオリンで奏でるヘザー。東ヨーロッパ、バルカン半島、中近東、アジアといった非西洋のトラディショナル・フォーク・ミュージックを旺盛に渡り歩くその音楽はとてもユニークだが、と同時に、濃厚な叙情性で聴く者の心に火をつける。たしかに西洋文化に普段どっぷり浸かって暮らしているわたしたちにはその旋律はエキゾチックだが、それが訴える感情は生々しく伝わってくるのである。

僕が観た京都公演のアンコールでは、ステージから降りて生音での親密なパフォーマンスまで見せてくれたふたり。異国の街角の路上が、そこには出現しているようだった。(木津毅)
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