フィーバー333、地元LAでの公演を現地レポ! グラミー賞にもノミネートの彼らはブリング・ミー・ザ・ホライズンの北米ツアーに帯同


昨年のフジロックフェスティバルで圧巻のステージを披露したロサンゼルス出身の新バンド、フィーバー333。その後、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンを彷彿とさせる“Made an America”(同名EP収録)が第61回グラミー賞の最優秀ロック・パフォーマンス部門にノミネート、今年1月にはデビュー・アルバム『ストレングス・イン・ナンバーズ』を発表した。この3人組はチャリティ等を通して地域に貢献し、社会に変化を起こすというメッセージを掲げて活動している。トランプ政権下のアメリカで、生まれるべくして生まれたバンドだ。

2017年の独立記念日、彼らの初ライブの場所は、ボーカルのジェイソン・バトラーの故郷イングルウッドの名所、ランディ・ドーナッツの駐車場だった。そして約1年半後、そのドーナツ屋近くの1万7000人収容のザ・フォーラムで、彼らはブリング・ミー・ザ・ホライズンの前座としてステージに立った。


ジェイソンが黒いマスクを脱ぎ捨て、「イングルウーッド!」と叫んで“BURN IT”に雪崩れ込んだ瞬間、体に電流が走るような衝撃を感じた。それぞれインディー・バンドで10年以上ツアーしてきた3人が、全身全霊をかけて炸裂させるサウンドの破壊力は予想以上で、10代の男女で占められたフロアが盛り上がる。ジェイソンはリズミカルなライムと強烈なシャウトとメロディアスで美しいボーカルを交互に織り交ぜながら観客を圧倒し、2階席まで駆け上がって興奮を煽った。「俺はすぐそこの通りで育ったんだ」、“INGLEWOOD”という曲の前に、彼は叫んだ。LA郊外の同市は、コンプトン市と並んで主に有色人種が住むエリアとして知られている。「その俺が最大の会場のステージに立ってる。これは君達も何だってやれるってことの証明なんだ!」。

最後にジェイソンはショウの間に度々叩いていたドラムを拳で突き破り、それを頭に被って拳を高々と突き上げた。3月の単独来日公演も、後に語り継がれるショウになることだろう。(鈴木美穂)


来日公演の詳細は以下より。

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