ザ・ローリング・ストーンズ、まるでコロナ禍を歌ったとしか思えない新曲は、ずっと以前に書かれていた! ブルースとダブに溢れた驚異の「先取り楽曲」“Living in a Ghost Town”に迫る

ザ・ローリング・ストーンズ、まるでコロナ禍を歌ったとしか思えない新曲は、ずっと以前に書かれていた! ブルースとダブに溢れた驚異の「先取り楽曲」“Living in a Ghost Town”に迫る

ボブ・ディラン同様、ノー・フィルター・ツアーが新型コロナウイルスのため順延となったザ・ローリング・ストーンズがファンのために4月24日に緊急リリースしたシングルが“Living in a Ghost Town”だ。

誰もが驚いたはずなのは、世界中の都市のロックダウンや外出自粛状態を見事にイメージとして歌い上げてしまっているところだ。《俺はゴースト・タウンに棲む亡霊だ》というミックの歌声はあまりにもこのステイ・ホーム期に生きる世界中のリスナーの心情を言い表すもので、このタイムリーさと衝撃的なほどに鮮烈な心象描写はただただ凄いとしかいいようがない。


しかし、さらに驚くのは、これが今回の時節に向けて書いた曲ではなくて、ストーンズがここ5年くらい進めている新作の一環としてすでに書かれていた楽曲だったということ。

もともとは、かつて賑わっていたのにすっかりさびれてしまった土地について歌った曲だったとミック・ジャガーは語っていて、キース・リチャーズとともにシングルとして出せるという手応えは感じていたものの、内容が暗すぎるからもうちょっと手を入れないとだめだなと判断していたのだという。

今回、緊急リリースにあたって若干歌詞に手を入れたとミックは明らかにしているが、ある意味で、この事態を先取りしていた楽曲ともいえるわけで、このすさまじい現役感にはただ畏れ多いとしかいいようがない。

楽曲はどこまでもエッジの鋭いブルースをベースにしたものだが、強烈なのはサウンドがとてつもなく虚ろに響くダブ・レゲエそのものとなっていて、これがこの歌い手の心象を生々しくリアルに鳴らすものになっているところだ。

しかも、実はこのサウンドは以前にも聴いたことがあって、つまり、1983年の『アンダーカヴァー』で特にミックがやりたかったのはこれかと得心がいきとても感慨深い。当時はミックとキースの主導権争いも災いして頓挫した試みに終わっていたが、そんなサウンドがこうやって見事に結実しているところにストーンズの凄味を感じないではいられない。(高見展)
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