白い世界に、音のスケッチを

ROTH BART BARON『ロットバルトバロンの氷河期(ROTH BART BARON'S "The Ice Age")』
2014年04月16日発売
ALBUM
ROTH BART BARON ロットバルトバロンの氷河期(ROTH BART BARON'S "The Ice Age")
音源を聴いて驚き、先日初めてライヴを観てその確信を新たにしたのだが、これはすごい才能である。ロットバルトバロン。2008年結成、中原鉄也(Dr・Piano)と三船雅也(Vo・G)からなる東京出身のふたり組。本作『ロットバルトバロンの氷河期』は彼らのファーストアルバムだ。音楽性としては、現代のインディ・ロックの中でもたとえばフリート・フォクシーズのような懐かしさと雄大さをもったフォーク・ロックで、三船のファルセットはシガー・ロスも髣髴とさせるが、それはあくまで志向がどうかというだけの話。彼らが自分たちの必然においてそういう音に辿り着いたのだということは、三船の歌を一度聴けば分かるはずだ。か細い、しかしはっきりとした意思を感じるその声は、音楽のジャンルなど軽々と飛び越える。だから彼らの音を聴くと、目の前の景色がすっかり変わったような錯覚に陥るのだ。氷河期はただ冷たくて硬いだけではない。やがて氷が溶け出し、新たな世界が芽吹いていくための序章だ。このふたり、まっさらな地平で新たな世界を築いてしまうバンドかもしれない。(小川智宏)
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