MJの“今”がここに

マイケル・ジャクソン『エスケイプ デラックス・エディション』
発売中
ALBUM
マイケル・ジャクソン エスケイプ デラックス・エディション
マイケルの没後2枚目の新作が出ると聞いて、死んでも死にきれない人だと思ってしまったが、実際に聴くと今度は肯定的な意味でそう思った。現在エピック・レコード会長のL.A.リードが総指揮をとり、ティンバランドやロドニー・ジャーキンス、スターゲイトなどがプロデューサーを務めた今作は、携わった人々の誠意と愛情が可能にしたアルバムだ。マイケルが過去に録音していた音源を「現代化」した曲が8曲並び、彼が当時作りたかった音を再現する代わりに、今彼が音楽を作ったらどうなっていたかを探究した正真正銘の最新作で、常に最先端を目指した彼の志を叶えている。

まだ試聴会で一度しか聴けていないが、ひとつ言えるのは予想以上にかっこいい!ということ。前作『MICHAEL』を聴いたときのような心のざわめきはなかった。全く手を加えていないというヴォーカルが際立ち、マイケルの音楽に特有の心を躍らせ身体を踊らせるあの感覚が確かに甦ってきた。センチメンタルなバラードがないのも潔くていいと思う。デラックス・エディションではオリジナル音源との比較ができることからも、相当な自信作なのが伝わってくる。(網田有紀子)
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