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私たちの気持ちはいつだって複雑だ。嬉しい、悲しい、悔しいなどとひと言でシンプルに捉えることはできず、いつもそこからこぼれ落ちるものがある。つまりいろいろな状態を行き来しているのが常で、ゆずは、そんな人間の感情の在り方を1曲の中で描くのがとても上手いアーティストだと思う。サントリー「ジムビーム」タイアップソングとして書き下ろされた新曲“シビレル”(作詞作曲/北川悠仁)もそう。《シビレルような夏に》交わされる大人同士の恋愛を映し出すこの曲には、衝動と理性、攻撃性と穏やかさ、永遠と刹那が共存して、ずっと揺れ続けている。その揺れ自体が、楽曲のグルーヴやドライブ感につながり、リスナーの身体と心を気持ちよく揺さぶるわけだが、そのストラクチャーはデビュー曲“夏色”から続く彼らの大きな特徴だと言っていいだろう。アッパーでポップな音像、詩情豊かなリリック、どこまでも爽やかに突き抜けていくボーカルと奥深いハーモニーが生み出すコントラストもまた、この曲の魅力だ。(森朋之)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年10月号より)『ROCKIN'ON JAPAN』10月号のご購入はこちら
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