現実と化学反応する音楽

パスピエ『幕の内ISM』
パスピエ 幕の内ISM
メジャー1stアルバム『演出家出演』を携えた初のワンマン・ツアーは、追加公演含め全公演がソールドアウト。今年4月に行った自主企画イベントのチケットも即日ソールドアウトになるなど、「ライヴ」に注目が集まったパスピエ。クラシック畑出身でポップスの高い探究心も持ったソングライター、成田ハネダ(Key)によるテクニカルなサウンド構成、大胡田なつき(Vo)による様々なキャラが登場する物語的なリリックとシュールな魅力がある歌とで、脳内映画を展開する密室的音楽を、オン・ステージへ昇華したことは、この2ndアルバムに大きく反映されたようだ。多彩なアレンジメントを活かしながら、よりキャッチーで、バンド・グルーヴを活かしたアンサンブルへと「動」のエネルギーを磨いた曲が並ぶ。体を突き動かすスピード感や、心地好いリズム。あたりの空気をカラフルに染め上げて、現実と非現実をボーダーレスにしていく音響感やローラーコースターのような小気味いいメロディ。思わず振り向かせる知能犯的なフックもふんだんで、ひとつひとつの強度がぐんと上がった、鮮やかなポップ作。(吉羽さおり)
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