注目度急上昇中の神戸発の4ピースバンド・ドラマチックアラスカの3rd ミニアルバム。「特に目立つことのない、ごく普通の高校生だった」という彼らだからこそ鳴らすことができる、純度の高い作品だ。 “東京ワンダー”では、《いくつもの感情が渦めく／この街へ蝕まれていく》と時折折れそうになる心を抱えながらも、《荒波にもまれ　傷ついたって／2本の足を信じてる／東京を彷徨う　僕もいつかは／光輝くんだ》と一条の光を信じている。今は上手くいかないこともあるけれど自分を信じていれば未来はある――バグばかりが目に付き、未来予測が難しい今だからこそ、忘れがちになる当たり前のことをストレートにぶつける意味は大きい。疾走感溢れるグッド・メロディには、それを体現してきたであろう彼らの自信が漲っている。

“アレシボ・メッセージ”でヒジカタナオト（Vo・G）は《交わることはなくたって／僕はあなたの存在を／確かめたくてサインを送る》と伸びやかに歌う。溢れ出るエネルギーは、まだ見ぬ未来やリスナーとのコネクトを切望している証だ。彼らの未来は明るい。（岡崎咲子）