今の5人体制となって約半年、ようやく落ち着いて理想の音楽を追求し始めた彼らだが、この作品を聴けば、彼らがその「深化」の過程にいることがわかる。
彼らはこれまでも、高度な技法を用い、自らの音楽で景色を描こうとしてきた。今回ももちろんその試みはあり、その画法もやはりテクニカルなのだが、特筆すべきは画材が格段に増えたことだ。それは“HELLO”のイントロで鳴るKのアコギであり、作品の要所で印象的に響くEricoのピアノでもあるだろう。エレクトロ/ダンスロックの文脈にオーガニックな手ざわりの楽器をうまく落とし込み、バンドの世界観をより的確に表現しているのがわかる。それにより、本作で描き上げられた音楽の景色は、格段に解像度が上がった。バンドが目指す理想へと、彼らは「深化」を続けている。(林田咲結)