新ドラマー・佐藤栄太郎の加入後では初の音源とは到底思えないほどしなやかに、そして獰猛に、複層的なフレーズとグルーヴを織り重ねてみせる4人のアンサンブル。昨年の後鳥亮介加入で覚醒したバンド感を、新たな編成でさらに推し進めながら、ギターロックとポップの極致へ迷いなくアクセルを踏み込んでいく川谷絵音の前のめりなアティテュード……メジャー1stフルアルバム『幸せが溢れたら』に刻んだ進化の足跡をも後にして、颯爽と新次元の表現を探求するindigo la Endの姿を、今作の3曲は雄弁に伝えている。人力ドラムンベースとポストロックとギタポが次々に押し寄せるような表題曲“悲しくなる前に”の展開をいともスムーズに、魅惑の悦楽をもって鼓膜に流し込んでくる後鳥&佐藤のリズム。スリリングなプレイの絡み合い越しに濃密な憂いの風景を立ち昇らせる、“渇き”の川谷&長田カーティスのギタータペストリー。70年代風のスロウ&メロウなシティポップスで「今」をカラフルに照射する“夏夜のマジック”も含め、いよいよ極限加速モードに入った川谷の才気そのものの快盤。(高橋智樹)
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