自身3度目の日本武道館ワンマン&ベストアルバム『GOLD TRASH』で結成10周年のランドマークを刻んだ直後にドロップされる、The Birthdayの8thアルバム。2ヵ月連続で先行リリースされていたシングルナンバー=“I KNOW”“MOTHER”のファンキーなグルーヴ感は、ワイルドにうごめくロックンロール“FULLBODYのBLOOD”、フジイケンジのカッティングが冴え渡る“TWENTY FOUR”、パンキッシュな疾走感あふれる“Shan Shan”――といった楽曲群と渾然一体となって、聴く者の地軸を震わせ腰から揺さぶるスリリングな躍動感を描き出している。
『COME TOGETHER』以前の作品で破格のロックンロールの「切れ味」や「剛性」を見せつけてきたチバ/フジイ/ヒライ/クハラの強靭なサウンドが「血肉化」レベルを越えて完全にひとつの獣と化し、しなやかな混沌とでも呼ぶべき攻撃性をもって、僕らの心に喰らいついてくる。《俺はその時知ってしまった/カオスの中にだけある本当のこと》(“BILLY BLACK”)……「11年目」と「その先」への扉を自らこじ開ける、どこまでも痛快な名盤。(高橋智樹)