ザ・モーニング・ベンダーズとしてローファイなサイケ・ポップをやっていたのは、今は昔。現名義となり4年。最近ではGalileo Galileiや木村カエラ、菅野よう子などへの楽曲提供やプロデュース、コラボ等によって日本でも活動の場を広げているクリストファー・チュウ率いる3人組。今作が4枚目にあたり、かつメジャー・デビュー盤となる。
それまでのバンド・サウンドから、エレクトロやヒップホップ等を取り入れたスタイルへ大胆な変化を見せた前作『ポップ・エトセトラ』。そうしたメインストリーム志向は今作でさらに極まっているといっていい。プロデュースはバンド自身だがミックスをボブ・クリアマウンテン(ストーンズ、ボウイ他)らが手がけ、メジャー感溢れるプロダクションが耳を引く。それこそワン・ダイレクションと並べても違和感のないダンス・ポップやR&B、EDMの時代以降のスタジアム・ロックとでも呼びたい仕上がりで、白眉はM1とM10。日本滞在時のエピソードが反映された曲もあり、ボートラにはGalileo Galileiのカヴァーやメンバーとの共演曲も。新たなステージを迎えたことを告げる快作だ。(天井潤之介)
堂々たるメジャー・デビュー作
ポップ・エトセトラ『スーベニア』
発売中
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