ロックスナイパーの瞳に映る景色
GRAPEVINE『BABEL,BABEL』
2016年02月03日発売
ALBUM
配信楽曲“EVIL EYE”と両A面シングル『EAST OF THE SUN/UNOMI』を経て、前作『Burning tree』から約1年ぶりにリリースされる14thアルバム。“EAST OF THE SUN”“UNOMI”をはじめ“SPF”“Scarlet A”といった高野寛プロデュース曲群の痺れるくらいに甘美でメロウなサイケデリック感、ハイブリッドなファンク感に満ちた“Golden Dawn”や灼熱のポストロックブルース“BABEL”などセルフプロデュース曲群から覗く飽くなき実験精神――といったサウンド面でのコントラストも痛快な今作。《刺せ思想すら》《立ちつ手と手を》といった言葉遊びの陰から《天空に唾して/溢れ出す言葉を操ろうと/憂国かざして/群衆を単純化してしまうのでしょうね》といった辛辣なフレーズを撃ち放つ“BABEL”。《ときの中産階級は/すでに十三階段》と軽やかに歌う“TOKAKU”……田中和将のライフタイムロックンロール感を結実させた『Burning tree』から一転、ありったけの皮肉と批評精神でもって世の矛盾をどこまでも美しく鋭く響かせる稀代のロックスナイパーぶりが随所に咲き乱れまくっている快盤。(高橋智樹)
2016.02.02 18:30