作品を出す度にタガもストッパーも外れ、道なき道をポップに突っ走ってきた名古屋発の5人組。このメジャー1stアルバムは、またもや自己記録更新と言える愛すべき作品である。表題通り、フォークロア=民族音楽をテーマに据え、音楽的にはこれ以上なく開放感漲る楽曲が揃う。鍵盤による多彩な音色はもちろん、今回はアコーディオン、パーカッション、ヴァイオリンなども積極的に導入し、カラフル度がより一層アップしている。というか、楽曲に非常にマッチしている。また、90年代のJ-POP臭漂う歌メロと一癖も二癖もある演奏陣との棲み分けもはっきりした。よって、天性のキャッチーな魅力と雑食気質のミクスチャー性も色濃くなった。展開もアレンジも凝っているのに後味スッキリなのは、適材適所のアプローチが効いているのだ。トラディショナルな郷愁とフューチャリスティックな音像の融合は、ミソッカスらしさをますます際立たせている。なお、ディスク2はセルフカヴァー集で、衝動爆発のハジケ具合にニヤリ。その勢いは今作にも通底するものがある。是非2枚続けて聴いてほしい。(荒金良介)