『TOKYO BLACK HOLE』穴盤およそ僕らがこの日常の中でギリギリ保っている正気という名のファイティングポーズをあっさり無効化する、極彩色の衝撃映像集のようなメロディと言葉の無差別連射。これまで大森ワールドを支えてきたサウンドプロデューサー=直枝政広(カーネーション)/奥野真哉(ソウル・フラワー・ユニオン)/出羽良彰/大久保薫に加え、新たに亀田誠治/ミト(クラムボン)/サクライケンタを迎えた布陣で、ロックもパンクもダンスも歌謡もドリームポップも激烈シャッフルした音風景……今を生きる者の心に刻一刻と広がる切実な闇を対消滅させるために、大森靖子の目映い使命感と狂気がさらに輝度を増していることを、前作『洗脳』から約1年3ヶ月ぶりとなるこの2ndアルバムは如実に物語っている。“愛してる.com”“劇的JOY!ビフォーアフター”など既発シングル曲群はもちろん、《捉えてよ 今すぐに消えちゃう全てを歌っていくのさ/地獄 地獄 見晴らしの良い地獄》と清冽に歌う表題曲“TOKYO BLACK HOLE”、終盤の“給食当番制反対”“少女漫画少年漫画”が織り成す美しき切迫感には戦慄必至。(高橋智樹)