ツインボーカルの特性を活かし、“ホール・ニュー・ワールド”（『アラジン』）のミュージカル的世界観に挑んだのは東京カランコロン。対して、男ふたりでアナとエルサ（『アナと雪の女王』）を歌い分けたのはTOTALFAT。fox capture planとタッグを組んだ大森靖子は“不思議の国のアリス”で茶目っ気も毒っ気も色気もキラキラと振りまいてみせ、今夏メジャーデビューしたばかりのShout it Outはそこに自身の姿を重ねるように“ゴー・ザ・ディスタンス”（『ヘラクレス』）が描く凛とした決意を歌う。SAKANAMONの“カラー・オブ・ザ・ウィンド”（『ポカホンタス』）には、こんなに和的な響きを持つ曲だったなんて！と驚かされた。参加者本人が選曲を行ったこともあり、各アーティストが個性を発揮させまくっている本作。慣れ親しんできた数々のメロディから新たな発見がザクザクと出てくるのが楽しい。（蜂須賀ちなみ）
