ポップ・パンク再興/再考の狼煙

グッド・シャーロット『ユース・オーソリティー』
発売中
ALBUM
グッド・シャーロット ユース・オーソリティー
数年前、某USメディアが掲載した「エモ」のリヴァイヴァルに関する記事が一部で話題を集めたことが記憶に新しいが、確かにそうした機運の高まりを強く感じる今日この頃。そんな2016年、グリーン・デイやブリンク182、そしてこのグッド・シャーロットの新作が揃ってリリースされることに何か符牒めいたものを感じてしまうのは気のせいか。前者の記事と後者の大物/中堅の動きは意味合いが異なるのかもしれないが、ともあれ、北米では今、エモないしポップ志向のパンクがにわかに活況を見せ始めていることについては気に留めておきたい。

活動休止を経て6年ぶりとなる6作目。いわく原点回帰作ということで、その辺りの狙いについては、1stや2ndを手がけたプロデューサーが今回迎えられている点に見て取ることができるかもしれない。ポップでキャッチー。と一言で片づけてしまえば身も蓋もないが、アコギ等のフォーキーな音色を聴かせるM2、M3、あるいはM10のオーガニックなテイストには、有りがちなレイドバックとは異なる何か瑞々しいものが感じられる。彼らのプロパー以外にこそ、むしろ聴いてほしい。(天井潤之介)
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