2010年にアルバム・デビューを果たした、アイルランドはダブリン出身のシンガー・ソングライター。その特徴は何よりもまず、美しく澄み切ったファルセットだ。フォークを出発点にしながら、エレクトロニクスをオーガニックに融合させたサウンドを聴かせ、2年前のセカンドでは、各方面から高い評価を得る。夢見心地という言葉をそのまま音にしたような音像は、ジェイムス・ブレイクやボン・イヴェールとも比較されているらしいが、歌手としての生の声質そのものは、この人の透明度が最も高いかもしれない。
なんと今回の3作目では、ドレイクをはじめヒップホップ系の最先端トラックに数多く関わってきたナインティーン85とフランク・デュークス、さらにサム・スミスやイヤーズ&イヤーズなどを手がけたトゥー・インチ・パンチというメジャー路線のプロデューサーを起用。いきなり1曲目からベースがアッパーなリズムを刻み始めたり、続く2曲目ではドシッとした感じのドラムが入ったりするモダン・ポップ(?)な展開で、前作に聴き親しんだリスナーは驚いてしまうだろうが、こちらの方が個人的には好みですね。(鈴木喜之)