メジャーデビュー10周年アニバーサリーとなる、故郷の神奈川県海老名市と厚木市の大規模な野外ワンマンが、それぞれパッケージ化。海老名公演は2デイズのうち8月28日の模様を、厚木公演も同じく2デイズのうち9月11日の模様をほぼノーカットで収録している。僕は厚木初日=9月10日を実際に観たが、特設ステージから立ち上るクリアで豊穣な音像が素晴らしかった。“ありがとう”から始まって、吉岡聖恵の歌声はポップミュージックそのものに憑依するように風に運ばれ、故郷ライブのリラックスしたムードの中から無数のヒット曲が、そして路上ライブ時代の懐かしの楽曲が放たれる。リーダー・水野良樹は、「自分たちのことをあまり喋らないで、曲だけが皆さんに届けばいいと思って10年間やってきました」と、ポップに殉じた道程を語っている。そうしていきものがかりのヒット曲の数々は、同じ時代を生きる人々の心の故郷になった。その道程ゆえの、強烈な祝祭感がある。メンバーの出身小学校の児童をステージに迎え、合唱によってポップのバトンを繋ぐ“YELL”はとても象徴的なシーンだ。(小池宏和)
ポップのふるさと
いきものがかり『『超いきものまつり2016 地元でSHOW!! ~海老名でしょー!!!~ 』/『超いきものまつり2016 地元でSHOW!! ~厚木でしょー!!!~ 』』
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