結成10周年を総括するベスト盤でありながら、まるで自己新記録を刻むような作品だ。ファン投票を反映した選曲と新曲2曲を含めた2枚組36曲。デビューアルバムのオープニング曲だった鉄板の“SCANDAL BABY”がファン投票1位で今回も冒頭に配置されているのだが、曲順はリリースの時系列に縛られることなく、あたかもライブのセットリストのように並べられている。例えば、DISC2の先頭に配置された“瞬間センチメンタル”〜“太陽スキャンダラス”という流れは、先頃COUNTDOWN JAPAN 16/17でカウントダウンライブを行ったときの頭2曲と同じだ。“Departure”や“テイクミーアウト”といった近年のMAMI作曲シングルが投票上位に入っているのも頷けるし、10年分のキャリアの厚みを感じさせる。CDJでも披露された新曲“FREEDOM FIGHTERS”は、RINAの歌詞もサウンドもすこぶるアグレッシブな反骨精神の一撃であり、DISC2の終盤に収められたもう一方の新曲“HELLO”は、ロックなアタック感を保ったまま煌めく、ロマンチックな冬のラブソングに仕上げられた。47都道府県ツアーに備えよう。(小池宏和)