グルーヴの鬼のような濃厚なバンドサウンド、山口隆の生き急ぐような前のめりな歌唱法、ソウルフル極まりない歌声が絡まり合えば、リスナーの心は高鳴らずにはいられない。押し寄せてくる音そのものが最高にポジティヴなメッセージと化すサンボマスター節が全開なのが、今作のタイトル曲“オレたちのすすむ道を悲しみで閉ざさないで”だ。どんなに非情な現実が目の前に立ちふさがり、最悪な状況が続いたとしても、人間の心は当人が放棄しない限り何者にも奪い去ることはできない。最強の要塞である心から生まれ得る無限の可能性を信じさせてくれるのが、この曲だ。そして、山口が吠えまくってから魂のこもりまくったギターソロへ雪崩れ込む……というこのバンドの黄金展開が猛烈にかっこいい“アノ娘と夢をみるの”。竹達彩奈に提供した曲のセルフカバーであり、真っ直ぐな愛の言葉がメラメラ燃え上がる“永遠にキミのことを愛したいと言わせて”も素晴らしい。本作のリリース後、サンボマスターはワンマンライヴや対バンツアーの日々へと突入する。今年の彼らも熱いことになりそうだ。(田中大)