ドクター・ジョンやギャラクティックといった故郷ニューオーリンズの先達をはじめ、ジェフ・ベックやクラプトン、レニクラ、マーク・ロンソンらとライブや作品で共演。最近ではレッチリのツアー・サポートも行ってきたマルチ・プレイヤーによる新作。2010年代はVerveからリリースを続けていたが、今年初めにブルーノートへの移籍が発表された。厳かなセカンドライン風のオープニング”ラヴォー・ダージNo.1”は彼のルーツを親切にガイドしているけれども、以降はトロンボーンにトランペットに歌にラップにと、八面六臂の活躍でバラエティ豊かな楽曲の数々を届けてくる。アラン・トゥーサンやミーターズの曲もカバーして筋を通してはいるが、とてもニューオーリンズ・ジャズ/ファンクの枠組みに収まり切る内容ではない。洗練されたアーバン・ポップのアルバム表題曲や、エキゾチックな作曲が光る”ファミリアー”、ファットなグルーヴを鳴り響かせる”ライク・ア・ドッグ”と、彼自身のルーツを元に現代的な可能性の広がりを伝えているのだ。日本盤ボートラに収められたライブ音源の、熱狂を導くインプロも楽しい。 (小池宏和)