渾身の直球が物語るもの

Fear,and Loathing in Las Vegas『SHINE』
発売中
SINGLE
Fear,and Loathing in Las Vegas SHINE
初の武道館ワンマンや2度にわたる自主企画「MEGA VEGAS」開催などを経て、4thアルバム『Feeling of Unity』以来1年9ヶ月ぶりの新作音源となるワーナー移籍第一弾シングル『SHINE』。極彩色エクストリームなポップ×ハードコアのテクスチャーとアクロバティックな楽曲展開がデフォルトとなっているラスベガスだけに、終始ミドルテンポのダンスビートで押し切った表題曲“SHINE”の真っ向勝負な直球感には逆に誰もが驚かされることと思う。が、音の衝撃映像集とでも言うべきスリリングなアンサンブルをぶん回してきた彼らが、その向かう先にカオスではなく未知のロック理想郷を描き出そうとしていることが、そのタフな躍動感とスケール感に満ちた音世界からもびしびしと伝わってくる。

カップリングの“Something to Gain After the Pain”は一転、歌い叫び猛り狂う衝動のままに他方向に転がり回るビートとアレンジメントを、そのまま3分半のスペクタクルに結晶させたようなナンバー。多彩な音楽性を血肉化し踏み越えた先にしか描けない景色が、この2曲には息づいている。(高橋智樹)
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