U2に迫る萌しが見えた!

ザ・ストライプス『スピッティング・イメージ』
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ザ・ストライプス スピッティング・イメージ
まず、はっきり言っておこう。これは彼らのサード・アルバムにして最高傑作であり、ロックの未来を切りひらいてくれる可能性が近年で最も高い音源のひとつだ。

そろそろティーンエイジャーともお別れという年ごろだけに、若いという形容詞をつけるのも、これはもう失礼と感じる。いや、決して渋くなったわけではない。むしろ前作のほうが少々重かった。

アイルランドのバンドでありながら、70年代の英国パブ・ロックに通じる味がある。政治風刺も鋭かった80〜90年代の英国ブラック・ユーモア人形劇と同タイトルなのも、むしろ国外バンドならでは。そしてウェールズの名門スタジオ、ロックフィールドで制作されたこれは、見事なパンク/ポスト・パンク。アルバム中間点7曲めで少し暗くなっておいて、爽快にぶちかます次曲のタイトルが“ア・ディファレント・カインド・オブ・テンション”! バズコックスのサード(1979年)と同名なのは、たぶん意識してのことだろう。やることが、いちいちかっこよすぎ。

過去作、UKでは順に5、17位だが、本国では2、1位。さあ、がんがん行ってほしいぜ! (伊藤英嗣)
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