それこそ1stソロアルバム発売の92年から現在に至るまで、ポール・ウェラーがBBCに出演してきたライヴ映像を、『レイター…ウィズ・ジュールズ・ホランド』から『トップ・オブ・ザ・ポップス』、『BBCエレクトリック・プロムズ』まで網羅した全33曲・130分。特に『レイター』にはポール兄貴は93年から08年までほぼ万遍なく出ているので、“サンフラワー”演奏時のオカッパ頭&肌艶よさから、現在の“22ドリームス”でのロッド・スチュワート寸前の風貌までの変遷を楽しむことができる点でも十分に「買い」だ。
何より、当年とって50の大台に乗った今もなおソリッドで「遊び」がなくてアグレッシブなサウンドと楽曲を鳴らしている彼の姿と比べると、その16年前=92年“Uh Huh Oh Yeh”の映像が逆にレイド・バックに近い空気感を漂わせているように見えてしまうのが面白い。スタカン解散から、ソロ2ndで開花し再評価されるまでの「ポール・ウェラー以前」の時期――ベクトルが定まらないまま魂だけは荒ぶって仕方がないその姿まで、本作の映像はあまりにビビッドなドキュメントとして記録している。(高橋智樹)