26歳にして到達したこの境地に脱帽

OKAMOTO’S『NO MORE MUSIC』

発売中

OKAMOTO’S NO MORE MUSIC
素晴らしいアルバムが完成した。

19歳でデビューした彼らも、今年で26歳。音楽シーンの激しい新陳代謝の中で揉まれ続けた彼らは、同世代のバンドには及びもつかない多くの経験をして、さまざまなスキルを学び、知恵を身につけたはずだ。そうしたさまざまな蓄積が、彼らを年齢相応の若々しさと共に、歳に似合わぬ成熟の表情を植えつけた。本作には、今の彼らだからこそ到達し得た境地がしっかりと刻まれている。多彩で硬軟織り交ぜた楽曲は、孤独や喪失の感情が流れ、快活な曲調の影にはペーソスとメランコリアが刻まれている。いわば枯れた味わいのアルバムなのだ。人生の光と影を、メロウでポップな曲調に自然に表現することができるようになった。

タイトル曲は《誰も俺の音楽なんて聴いてない》《みんな音楽に金を払うことをやめちまった》《俺は自分の素敵な曲を殺したくないんだ》(和訳)と歌われる。現在の音楽状況に絶望を訴えながら、それでも音楽を作ることをやめない彼らの意思が込められている。こうした苦く苦しい思いを自然に吐露できるようになったのも表現者としての成熟だ。(小野島大)

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