R&Rには黄金律しか要らない

ラスト・トレイン『ウェザリング』
発売中
ラスト・トレイン ウェザリング
サマソニでの初来日を目前に控えてリリースされた、フランス東部ミュルーズ発の4ピース=ラスト・トレインの日本デビュー・アルバム。白昼堂々鳴り渡るパブ・ロックのような“ドロップト・バイ・ザ・ダヴズ”しかり、ツェッペリンばりの激烈展開を見せるハード・ブルース“ジェーン”しかり、基本構造は泥臭いまでの正統派ロックンロールなのだが、そのドライヴ感満載のギターなど音色の選び方やミックスにしても、巧みに交感神経をまさぐるコードワークなどボイシングのひとつひとつにしても、触れるものすべてをモダンでクールな「今」の音として響かせてみせるセンスだけでも驚愕必至だ。しかし、彼らの真のすごさは、清濁も巧拙も美醜もごっそり併せ呑む表現であるロックンロールから「カッコ悪いもの」を厳重に濾過して排除する能力の圧倒的な高さにこそ宿っている。「ストロークスやリバティーンズに連なるロックンロール・リバイバル継承者」などという枠組みでは到底収まりきらない、音だけで判断するならアリーナ/スタジアム級のダイナミズムに満ちた超巨大新星。一刻も早い日本単独公演を期待!(高橋智樹)
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