最近では出色の才能が順調に成長

ジャパニーズ・ブレックファスト『ソフト・サウンズ・フロム・アナザー・プラネット』
発売中
ジャパニーズ・ブレックファスト ソフト・サウンズ・フロム・アナザー・プラネット
フィラデルフィアのインディ・バンド、リトル・ビッグ・リーグのミシェル・ザウナーのソロ・プロジェクトの2作目。母親の死をきっかけに作られたというファーストは、手作り感覚の素朴なエレクトロニック~シューゲイズ・ポップに、ミシェルの舌足らずのボーカルが乗るという、よくあるスタイルだが、微妙な陰影や細やかな感情の襞が丁寧に描写されており、ミシェルの声も良く、通り一遍なインディ・ポップとは異なる魅力を放っていた。

1年4ヶ月ぶりの新作は、サックスやトランペットのほかは基本的にすべての楽器を本人が手がけているようだ。エレクトロニック・ポップからギター・ロック、チルアウトしたドリーム・ポップ、スケール大きなバラード、生ギターの弾き語りまでサウンドの幅が広がり、プロダクションの精度も楽曲の完成度も大きく向上している。作品としても商品としてもぐっと洗練された感がある。手作りの親密感は薄れたが、アーティストの内面表現とポップスとしての完成度のバランスは今回の方が優れている。前作時に音楽をやめることも考えたというが、本作でさらなるブレイクを期待したい。(小野島大)
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