至上のトリップ感は知性に宿る

ギャランティス『ジ・アヴィアリー』
発売中
ギャランティス ジ・アヴィアリー
それこそリミキサー/プロデューサーとしての手腕については、リナス・エクレイ&クリスチャン・カールソンは単独でも世界代表レベルのきらめきを放っているわけだが、現時点ですでにMV再生3億回(!)を突破した自身最大のヒット曲“No Money”をはじめ“True Feeling”“Hunter”などの楽曲を収めた約2年ぶりとなる2ndアルバムから改めて浮かび上がってくるのは、ギャランティスという表現者サイドに立った彼らが描き出す音と磁場のマジカルなまでのパワーだ。
 
突き抜けるような躍動感を描き出すメロディは1st『ファーマシー』と地続きながら、“In My Head”や“Runaway (U & I)”など前作で聴かせたザッツEDM的なウォール・オブ・シンセ感とは一線を画した今作。誰彼構わず非日常的な狂騒の果てへ押し流すのではなく、音のディテールを丹念に愛でながら、ビートと音色と旋律の位置関係でもって、平熱の地点からロジカルに高揚感と多幸感の彼方へと導くような視線をより強く感じさせる。日常風景とトリップ感を矛盾なく直結させ祝福する、音楽の本質そのものの1枚。 (高橋智樹)
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