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    聖なるビーチでの宴に

    ギャランティス『チャーチ』
    発売中
    ALBUM
    ギャランティス チャーチ

    スウェーデン出身のエレクトロ・デュオで、2014年発表のシングル曲“Runaway(U&I)”の大ヒットをきっかけとし、一気にブレイクを果たしたギャランティス。日本でもフジロックやULTRA JAPANへの出演を経て、18年にはZEPP TOKYOで初の単独公演も成功させているので、もうすっかりおなじみの存在かと思う。彼らの音楽世界は、リスナーの精神状態をとにもかくにもハッピーに、バブリーに、そしてポジティブな気分へと誘うことが最大のミッション。世界中のEDMフェスからひっぱりダコ状態なのも納得の快楽的中毒性ポップなのだ。

    17年発表の『ジ・アヴィアリー』以来、約2年半ぶりのリリースとなった今回の最新アルバムのタイトルは、ずばり『チャーチ』。いきなり「教会」なんて言われると、どこかの誰かさん(ていうか、カニエ・ウェストさん)のように「本格的なゴスペル・ミュージックへ転身!?」などと思う人もいるかもしれない⋮⋮けど、もちろんそんなことはないので、ご安心を。先行シングルに選ばれ、まさかのカントリー界の超大御所ドリー・パートンを迎えた“フェイス”(=信仰心)をはじめ、“ミラクル”(=奇蹟)や“ホリー・ウォーター”(=聖水)と題された今回の楽曲群は、そういった宗教的なワードの「神秘性」とEDMポップという音楽ジャンルの「恍惚感」を、確信犯的なレベルでマッシュアップしていく。世界平和の救世主は、ダンスDJなのだ。アルバム中盤に収められた“ステラ”や“ボンファイア”のように、少しスロー気味なBPMのナンバーも絶妙のアクセントになっていて、まるで極上のビーチ・パーティのような全14曲。なお、日本盤はボーナス・トラックとして、さらに2曲のリミックスを収録してます。 (内瀬戸久司)



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    ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。
    ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

    ギャランティス チャーチ - 『rockin'on』2020年4月号『rockin'on』2020年4月号
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