今年も東京・お台場ULTRA PARK(特設会場)での開催が迫るULTRA JAPAN 2018。夏のダンス・フェスとして定着し、名だたるスターDJたちが顔を揃える機会となったのは、ひとえに熱狂を支えてきたオーディエンス/ダンサーたちのおかげだろう。開催当日に向けてぜひ注目トラックに触れ気持ちを高めてほしいし、予習用プレイリスト作成の一助になれば幸いだ。
●Axwell Λ Ingrosso
昨年末に晴れてデビュー・アルバムをリリースしたアクスウェル Λ イングロッソは、言わずと知れたスウェディッシュ・ハウス・マフィア(今春、UMFマイアミで大復活)の名タッグ。UKのシンガー/プロデューサーであるRØMANSと組んだ最新シングル“Dancing Alone”は、プログレッシブ・ハウスの意匠を踏まえながらもエモーショナルな歌心を備えた一曲になった。広大なメインステージの熱狂を正面から受け止める、懐の深いプレイに期待がかかる。果たしてスティーヴ・アンジェロのゲスト出演はあるか?
●Galantis
バウンシーで粘り気のあるグルーヴが特徴的なスウェーデンのデュオ、ギャランティス。エレクトロポップ・バンドのマイク・スノウとして来日経験もあるクリスチャン・カールソンが在籍するユニットと言えば、ロック/ポップ・リスナーにも通りが良いだろうか。生ドラムやパーカッションが持ち込まれることもある、クロスオーバーなライブパフォーマンスに注目だ。
●Oliver Heldens
フューチャーハウスの担い手としてダンスシーンに変革をもたらしたオランダのオリバー・ヘルデンスは、ハウス・ミュージックに息づくピュアなダンスの陶酔感と、メインストリームEDMの華やかでコマーシャルな部分を絶妙にブレンドする手腕が光る。極上ディスコテイストのこのトラックをぜひ。
●Jonas Blue
この1日目、個人的にイチ推しの出演アクトは、トロピカル・ハウスの俊英ジョナス・ブルーだ。今年6月に公開されて既に1億PVを越えるトラックがこれ。フォーキーな音使いと憂いたメロディラインが染みる。
なお、過去のULTRA JAPANでアンダーグラウンド・ダンスの息遣いを伝え続けてきたステージ=RESISTANCEは、イビサで独立したパーティを繰り広げるようにもなり、今回の開催では一際大きな盛り上がりを見せるのではと期待される。この初日は、UKハウスのレジェンドであるジョン・ディグウィードが、ストイックなほどに美しく洗練されたサウンドのニコール・マウデイバーと繰り広げるB2B(Back to Back:2人のDJが交互にトラックを繋ぐ、センスと技量が試されるプレイ)が見逃せない。(小池宏和)
ラインナップと日割りスケジュールは公式サイトをご確認下さい。