ツェップ祭、ここにも

フー・ファイターズ『ライヴ・アット・ウェンブリー・スタジアム』
2009年01月21日発売
DVD
フー・ファイターズ ライヴ・アット・ウェンブリー・スタジアム
ラスト“ベスト・オブ・ユー”の前にデイヴ・グロールが吠える、「これまでの人生でもっとも最高な日にようこそ」と。無理もない。それまで演奏したフーファイ・オリジナルをすべて大合唱してくれた8万人の前で、ジミー・ペイジとジョン・ポール・ジョーンズと一緒に、“ロックンロール”(デイヴはボンゾ役)と“ランブル・オン”(デイヴはプラント役)をまさしくロックンロールしたばかりだから。万年ニコニコ男のデイヴだが、自分のMC中に飄々とステージに現れたペイジ&ジョーンズと顔を合わせたときの顔、そしてレジェンドの後ろでドラムを叩いているときの笑顔は一生保存版だろう。あの顔の写真が世界中にバラ撒かれたら戦争も終わるだろうと思えるぐらい幸福に満ちている。

ただ、ふたりのツェップの登場はデイヴにとってのクライマックスであり、ロック史的にも(特に再結成騒動が絶えない今年は)大きな事件であることは間違いないのだが、あくまでこのDVDの本質は8万人を意のままに操られるようになるまで成長した生粋のオルタナ少年の輝かしい姿が確認できること。来日した2ヶ月後のライブとあり、セットリストはツェップを除くと4月の幕張公演とほぼ一緒。あのときRO69の最速ライブレポートに「ニルヴァーナのために一掃された70年代アリーナ・ロック的なパフォーマンスが、デイヴ・グロールの手によって21世紀によみがえった」みたいなことを書いたが、このDVDはよりそれを痛烈に伝えてくれる。実に感動的である。(内田亮)
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