圧倒的な刺激と密度を誇る、
Crossfaithのニューシングル。轟音のシャワーが降り注ぎ、澄んだビートに導かれ、開けたメロディへと辿り着く――といった展開は清々しく、スコーンと耳に飛び込んでくる。それでいて、緻密なアレンジとパンチが効いたサウンドは、ラウドロックの次元を越えて料理されているような視野の広さを感じる。これは、ライブハウスでキッズと汗だくで向かい合いながら、一方で世界に出向き、様々なジャンルを吸収するという、彼らのスタイルが反映された証だろう。とてもクレバーなバンドだと思うが、彼らを突き動かしている原動力は「ロックへの夢」や「ライブハウスへの愛」といった、少年時代から抱えているものの延長上にあるのではないか、と“Wipeout”の歌詞を見ていると思わずにはいられない。《未来へと飛び立ち/新たな日々へと翼を広げるんだ(和訳)》――聴き手の心もピュアに立ち戻らせるような、まっすぐな言葉の数々。“Inside The Flames”、“Vermilion Gold”も、イントロから名フレーズ炸裂で、自分の中に眠っていたキッズの血を叩き起こされるようだ。(高橋美穂)