ひとなつっこい音楽

KANA-BOON『KBB vol.1』
2018年03月14日発売
KANA-BOON KBB vol.1
メジャーデビュー5周年の記念プロジェクトとしてリリースされるシングルのカップリング曲集第1弾。歌メロ、ギター、リズム。どの曲も要所にキャッチーな要素がちりばめられていて、ひとなつっこい音楽を作るバンドだなと改めて思う。不安を抱きながら勝者になることを目指す“スパイラル”、敗者復活戦がテーマの“LOSER”など、何が正解か不正解か迷っている歌が多いのだけれど、どろどろした展開にはならない。誰もが知っている心の揺れを、あくまでもポップな曲調に仕上げるのが、KANA-BOON特有の親しみやすさであり、長所だといえる。

今回のアルバムには12曲のカップリング曲のほか2曲を収録している。新曲“Flame”は「炎」を意味する曲名通り、炎上騒動やヘイトが相次ぐこの国を皮肉った内容でアグレッシブなサウンドだ。一転して“さくらのうた”のアコースティックバージョンでは、センチメンタルな部分をみせる。これらラスト2曲でバンドの硬軟両面をよく伝えている。谷口鮪(Vo・G)の作詞作曲家としての魅力を再確認した。(遠藤利明)
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