「踊る絵筆」のようなバンドの決定打

sumika『Fiction e.p』
2018年04月25日発売
sumika Fiction e.p
楽曲を聴いていて、ライブに行きたくなるだけではなく、いつもの日常を彩ってくれる若手バンドの代表格といえばsumikaだと私は思うのだが、その決定打と言える楽曲が届いた。4曲入りEPの1曲目、“フィクション”。日常を本になぞらえた歌詞も、ピアノも、ストリングスも、ビートも、すべてがスキップのように躍動していて、心を弾ませてくれるのだ。歌だけに重役を担わせず、すべての楽器を緻密に配置してポップに成立させており、そこからは彼らの音楽に対する真摯な姿勢が感じられる。それでいて、聴き心地はあらゆる日常に寄り添うような軽やかさに昇華しているところも見事。また、歌い出しと同じ《さあ 今日も始めましょうか》でプツンと終わるエンディングも、そこからページを捲るのはあなた自身だよ、というメッセージに聴こえてくる、粋な仕掛けになっている。

一方で、こんなんもできるんだぜ!と言わんばかりの、ミクスチャーロック育ちを窺わせる “ペルソナ・プロムナード”が収録されているところも心憎い。そう、こういう固い芯があるからこそ、彼らはあらゆることができるのだ。(高橋美穂)
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