ドン詰まりから始めるロック

ザ・ヴォイズ『ヴァーチュー』
ザ・ヴォイズ ヴァーチュー

ジュリアン・カサブランカス+ザ・ヴォイズ名義からジュリアンの名前が外された意味は大きい。「ジュリアンが新バンドを結成した」という時事性の先で、バンドが個としてパーマネントな活動を見せ始めたことの証左である。実際、新作リード・シングル“Leave It In My Dreams”発表と同時に、ザ・ヴォイズは独自のYouTubeチャンネルを立ち上げ、ここ2ヶ月ほどの間に新作ビデオ(オーディオ含む)を次々公開している。このグラマラスで妖しくグリッターな(時に胸を掻き毟るほど切ない)ロックンロールに、大きな可能性を感じていることが伝わってくるのだ。《俺は消耗し切っているけど、いつだって準備は出来てる》(“Pointlessness”)と歌い出されるようなこのドン詰まりのロックは、甘い夢想よりも傷だらけになる覚悟を抱いて進んで行くのかも知れない。スーサイドのように鋭利なミニマル・サウンドで届けられる“All Wordz Are Made Up”や“Coul as a Ghoul”がいい。(小池宏和)
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