曲が始まった瞬間、ギターの最初の1音だけで恋に落ちてしまった。リンジー・ジョーダンが15歳で始めたこのバンド、スネイル・メイルは、初EP『Habit』で脚光を浴びた。高校を卒業した彼女が発表したデビュー作『ラッシュ』は、期待を裏切らない彼女の天才的な才能が溢れる作品だ。リズ・フェアを彷彿させるローファイ・ギターが特徴だが“レッツ・ファインド・アウト”のギター・ピッキングなどには衝撃的な美しさがあり、さらに心を鷲掴みにされるのは例えば“プリスティーン”で、そのキャッチーなギター・リフに続き《ありのままの私は好きじゃないの?》ととどめの一撃を食らわせる鋭利な歌詞があること。思春期の不安、孤独、恋に翻弄され全てを生きるか死ぬかで捉えてしまう抑えきれない感情。誰もが経験するその普遍を新たに覚醒させる才能が誕生した。(中村明美)
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スネイル・メイル『ラッシュ』のディスク・レビューは現在発売中の「ロッキング・オン」8月号に掲載中です。
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