10年がかりの初ソロ、ついに完成!

ジョナサン・デイヴィス『ブラック・ラビリンス』
発売中
ALBUM
ジョナサン・デイヴィス ブラック・ラビリンス

3月末のVANS WARPED TOUR JAPANでは、ヘッドライナーとして堂々たるライブを見せつけた姿が未だ記憶に新しいKOЯN。そのフロントマンであるジョナサン・デイヴィスが初のソロ・アルバムを発表した。2007年頃から地道に作り上げてきたという噂の作品が、遂に完成したのだ。2曲目から早速、タブラや、アルメニアの民族楽器ドゥドゥクなどをフィーチャーしたオリエンタルなテイストのアレンジが炸裂。バグパイプだけでなく、日本の太鼓や琵琶などについても深い興味を示してきた彼の特異な資質が、アルバムの随所で存分に発揮されている。ジョナサンは自らギターとキーボードの一部をこなし、11曲目ではヴァイオリン、12曲目でシタールも演奏。ゲストはKOЯNのレイ・ルジアー、リンプ・ビズキットのウェス・ボーランドらに加え、あのL・シャンカールも参加した。

これまでKOЯN本体の作品においても、典型的なニュー・メタルに収まり切らない音楽的な冒険を実践してきたジョナサンだが、やはりバンドの枠から完全に自由になった今作は、さらに多様な角度から彼の才能が伝わってくる内容になっている。その中でも、禍禍しいサウンドに乗せて病んだ魂の闇を吐き出すKOЯNの音楽に一筋の光明をもたらしていた美しいメロディが、ここではいっそう大きな広がりを聴かせていて、その点がとりわけ興味深かった。今までKOЯNについて「なんか暗そうで怖そう……」と敬遠してきたようなリスナーにまで届く可能性を感じさせるアルバムだ。

もちろん、他のニュー・メタル・バンドとKOЯNの差を決定づける唯一無二のボーカリゼイションをはじめ、従来の魅力と直結しているところもたくさんあるので、ファンなら間違いなく楽しめると思う。(鈴木喜之)



『ブラック・ラビリンス』の詳細はこちらの記事より。

ジョナサン・デイヴィス『ブラック・ラビリンス』のディスク・レビューは現在発売中の「ロッキング・オン」8月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。


ジョナサン・デイヴィス ブラック・ラビリンス - 『rockin'on』2018年8月号『rockin'on』2018年8月号
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