止まらないツアー最新型

キング・クリムゾン『ジ・エレメンツ・オブ・キング・クリムゾン 2018ツアー・ボックス』
発売中
BOX SET
キング・クリムゾン ジ・エレメンツ・オブ・キング・クリムゾン 2018ツアー・ボックス

〈コレクターズ・クラブ〉シリーズで00年の11公演分が2ヶ月にわたってリリースされ、どっぷりと浸っているところに、11月末より始まる来日ツアー必携の〈ジ・エレメンツ・オブ・キング・クリムゾン〉の18年版が届いた。5作目となるツアー・ブックで例によってDVDケース・サイズの2枚組、未見ながらブックレットもいつもの仕様だろう。最新ライブやツアーの大まかな狙いを思わせるトラック、未発表音源などを交えるシリーズで、とくに昨年版では『太陽と戦慄』期の曲が大展開され強力であっただけに、これにも期待は高まった。

結論を急げば前回のようなポイントを絞りきった圧倒的な熱量はないものの、これまでのツアー・ブック同様、バラエティに富んで楽しめるものになっている。全31曲中、初CD化が17曲とまずまずのお宝度。現ツアーでも『太陽と戦慄』周辺楽曲への細かい考察が大きな柱となっているが、話題となったのは80年代、いわゆるディシプリン・クリムゾンへの柔軟な姿勢で、これを解釈し、この編成と構成の中でどう再構築するかは興味が尽きないが、ディスク[Ⅰ]の後半部分にはそんな狙いが浮かび上がる。すでにライブ盤にも収録されているがダブル・トリオ時代にも復活したことのある『ビート』(82年)収録の“ニューロティカ”が現在の構成で強靱なナンバーに深化していっているのを聞かせたかと思うと、続く“ファンキー・ジャム”を経てジャッコ・ジャクスジク、トニー・レヴィン、ギャビン・ハリソンによるデモ“ジ・エラーズ”、『ザ・コンストラクション・オブ・ライト』(00年)の“太陽と戦慄パートⅣ"における圧巻のヘヴィ・リフ攻撃、そして“ヒーローズ”という流れは最新ツアー・ブックならでは。さて、今度の日本ではどんな姿を聞かせるのか。(大鷹俊一)



『ジ・エレメンツ・オブ・キング・クリムゾン 2018ツアー・ボックス』の詳細はキング・クリムゾンの公式オンライン・ショップをご確認下さい。

キング・クリムゾン『ジ・エレメンツ・オブ・キング・クリムゾン 2018ツアー・ボックス』のディスク・レビューは現在発売中の「ロッキング・オン」9月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

キング・クリムゾン ジ・エレメンツ・オブ・キング・クリムゾン 2018ツアー・ボックス - 『rockin'on』2018年9月号『rockin'on』2018年9月号
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