この9thアルバムにYUKIは「自分のための2回目のソロデビューのような、フレッシュなアルバムになりました」とコメントを寄せている。まず、これだけのキャリアを重ねながらも、「フレッシュ」という言葉が出てくるところに、アーティストのプロ意識と、楽しみ続ける少女の感覚を、奇跡的に永遠に併せ持っているYUKI像が浮かび上がってくる。変わらないキュートな存在感と、先鋭性を追求するアーティスティックな姿勢と、ベーシックな歌心を磨き続けるシンガーとしての実力は、ますます唯一無二になった。作曲や演奏に関わるアーティストも、旧知の関係性の人あり、意外な人あり、新進気鋭の人ありで、プロデューサーとしても広い視界を持つYUKIらしい。なお作詞は全てYUKIが担当し、編曲もほぼすべての曲にYUKIが名を連ねている。

多彩な13曲が収録されているが、細野晴臣が作曲にサウンドプロデュース、アコギにバッキング・ボーカルまで務めた“Sunday Girl”と、YUKI自身が作曲した、フォーキーな曲調の中で裸の歌が響く“美しいわ”は、特に彼女の現在地として象徴的だと思う。（高橋美穂）