キタニタツヤの2枚同発のニューアルバム『DEKAI』『PURE』が世に放たれるのは2026年11月4日。あまりに先行しすぎ、キタニ本人はまだ作業が残っているので超多忙、全楽曲の完成翌日に取材をして印刷に間に合わせるのもギリギリすぎるスケジュール。でも我々も、キタニタツヤ本人も、レコード会社のスタッフも迷わず特集の実現に向かった。のちのち2026年にキタニタツヤが『DEKAI』『PURE』という、とんでもない2枚のアルバムを出したことを振り返った時を想像して、いちばん鮮烈なタイミングとボリュームでそれを刻んでおかない手はないと思ったのだ。『DEKAI』のテーマは「大言壮語」、『PURE』のテーマは「幼児性」。それだけ聞いてもなんのこっちゃわからないと思うが、このテーマで2枚のアルバムを作り上げた理由は、キタニタツヤの脳内では完全にクリアだった。これは理性も知性も衝動も情熱も総動員して、キタニタツヤが時代と向き合い、自分と向き合い、音楽と向き合いきって、必然として2枚のフルアルバムになった作品。それは、何を拠り所にわたしたちがこの時代を生きるかという重大なテーマと深く関わっている。「音楽」が間違いなくその鍵なのだが、その重い扉を開くには『DEKAI』と『PURE』という二重の鍵穴を一気に貫通する必要があった。その扉の向こう側に何があるのか、もしかしたらキタニタツヤ自身もまだ知らないのかもしれない。でもそこにあるのは、あなたの中の夢見る「理想」主義者と冷静な「現実」主義者が同時に信頼を寄せられる、新次元の世界だということを感じ取ってほしい──フォトセッションからもこの文章からも、既に何やらヤバいものを感じているかもしれないが、数ヶ月後に『DEKAI』と『PURE』があなたの耳に届くまで、あなたの心をジワジワ侵食していく、実にJAPANらしい特集だ。覚悟して読んでくれ!インタビュー=古河晋 撮影=村田一樹信頼してほしくないんです。「こいつは恐らく嘘を言ってない」って信頼はしてほしいけど「こいつはいいことを言う」の信頼はしてほしくない
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年10月号より抜粋)





