ヒトリエが描く「僕ら」のパノラマ

ヒトリエ『HOWLS』
発売中
ALBUM
ヒトリエ HOWLS
メジャーデビュー5周年を迎えたヒトリエの4thフルアルバム。『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』エンディングテーマ“ポラリス”や“コヨーテエンゴースト”“Idol Junkfeed”といった鋭利な疾走感に満ちたヒトリエ・アンセム群が過去最高レベルに冴え渡っているのはもちろんのこと、今作の景色にかつてないほどの包容力とスケール感を与えているのは、アルバムの終章――《馬鹿みたく不甲斐なく/頼りないままでいいよ/嘘みたい/でも嘘じゃない/僕らを唄おう》と歌い上げるシューゲイザーバラード“青”から《唄え、ただ唄え/この居場所にいるんだよ/僕らは》と宣誓する壮大なロックナンバー“ウィンドミル”への流れだ。他者と向き合い受け入れる怖さも重さもセンシティブに音像化してきたヒトリエが、「愛」と「個」の狭間で自らの心の居場所を求めたミニアルバム『ai/SOlate』を経て、「僕ら」の視野から扉を大きく開いた決定的瞬間と呼ぶべき1枚だ。“November”などメロディアスな楽曲群の美しさも、バンドの野性を解き放った震撼必至の爆走曲“殺風景”も最高。(高橋智樹)
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