来日公演もこれで万全

クラフトワーク『3-D 12345678』
発売中
ALBUM
クラフトワーク 3-D 12345678

約6年ぶりのクラフトワーク来日公演が待ちきれない。衝撃だった3Dライブがどうアップデートされているのか……と考えただけで落ち着かなくなるが、そこに油を注ぐのがこれだ。また、このエレクトロ・レジェンドの音にどこから触れてよいやら、という世代にとっても格好のブツとなっており、ライブの予習にも最適だ。

もともとは近年のパフォーマンスを17年に8枚組CDやDVDなどで発売し、グラミー賞で最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム賞を獲得したものをベースに、代表曲とされるナンバーを中心にまとめられ、コンパクトに現在のグループのサウンド・ニュアンスと楽曲そのものに触れられる。オリジナル・アルバムは『ツール・ド・フランス』(03年)が最後であり、この“3‐D・マルチメディア・アート・パフォーマンス”が最新作品と言えるわけで、再生が繰り返される楽曲の変化もスリリングに楽しめる。

大きなポピュラリティを持つきっかけとなった74年の『アウトバーン』のタイトル・トラックからスタートし、“ガイガーカウンター(放射能測定器)”をイントロ代わりに“放射能”が続き、ヒロシマ、フクシマが歌い込まれ、NO NUKES 2012にも参加した彼らならではの姿勢が放たれてくる。

“ヨーロッパ特急”、“ザ・マン・マシーン”、“コンピューター・ワールド”、“テクノ・ポップ”、“ザ・ロボッツ”を始め、どれも流れ出すと耳馴染みのある全18曲で構成されているが、単なるベスト盤というのではなく、今も変容し続ける生命体の部分が迫ってくる。偏執的に各国盤で内容を変えたり、リマスター盤ではいじくりまくったりする彼らの執念がここにも脈々と流れ、それが来日ステージにつながっているのだ。 (大鷹俊一)



詳細はWarner Music Japanの公式サイトよりご確認ください。

ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』5月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。

クラフトワーク 3-D 12345678 - 『rockin'on』2019年5月号『rockin'on』2019年5月号
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