互いに自身のラジオ番組を通じてメッセージを発信し合っていたCreepy Nutsと菅田将暉が、そのやりとりからコラボ楽曲を制作するにまで発展。コミュニケーションを重ね、それぞれの生き様を映し合わせるようにして出来上がったのがこの“サントラ”という楽曲だ。自信も自虐も、強気も弱気もすべてを背負ったまま生きる、人生そのものを言葉に込めたようなR-指定のラップと、生命力全開でドアを開け進んでいくような菅田の突き抜けた歌声は、すべての人の背中を押すような、まさにサウンドトラック。DJ 松永の作り上げる疾走感のあるトラックが、駆け抜けるように過ぎる毎日を力強く後押しする。HIPHOPアーティストとしてのCreepy Nuts、俳優として、また歌手として活躍する菅田将暉――それぞれの「仕事」に向き合うように書かれた歌詞は、やがてリスナーそれぞれの日常にも重なり合い、エネルギーに満ち溢れた人生賛歌として鳴り響く。どんな矛盾を抱えていても、それで生きていくという説得力を感じる、ふたりの歌声の強さ。その真っ直ぐさがとにかく痛快な一曲。（杉浦美恵）

『ROCKIN'ON JAPAN』2020年9月号より