愛すのではなく愛し抜け

マカロニえんぴつ『愛を知らずに魔法は使えない』
2020年11月04日発売
EP
マカロニえんぴつ 愛を知らずに魔法は使えない
濃い。ぎゅーっと密度の高い音と言葉が詰まっている。疾走感のあるマカえん印のギターロック“生きるをする”から、ロマンティックなシンセサイザーの音色が躍る“ノンシュガー”、80年代のムードの中で彼ららしい重層的な展開を堪能できる“カーペット夜想曲”、ジャクソン5みたいな軽やかなソウルナンバー“ルート 16”(国道16号線は我が実家のすぐそばを通っているので勝手に親近感)、そして今作のタイトルのもとともなっているスケールの大きなミドルチューン“mother”。“溶けない”も含めて全曲、音楽的にも全部出しのような振れ幅だし、何よりはっとりの書く歌詞が、どの曲でも「これだ!」という確信に満ちた言葉を綴っていて頼もしい。今、自分は何を歌うべきか、『hope』の時点でぼんやりと見えていたそれが、急激にくっきりとした輪郭をもったような感覚。《僕が僕を愛し抜かなきゃ》(“生きるをする”)という思いと《僕のことよりも/君のことを愛し抜ける人をそっと/視ていたい、そばで》(“mother”)という思いが実は同じことだと気づいた時、今作を貫くそれにも気づくはずだ。(小川智宏)

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