Kroiという名が示す通り、楽曲の随所にブラックミュージックのルーツを感じさせるバンドの、最新配信シングル。ソウルのフィーリングを根底に宿しながら、アップテンポで、独特の乾いたポップネスを感じさせる楽曲は、思わず体が揺れてしまうほどグルーヴィー。洋楽ライクなファンクのタイム感に乗る軽快な歌とラップは、Kroiというバンドの個性を非常に色濃く反映しているように思う。バンド名には、「すべての色を混ぜると黒になる=様々な音楽を吸収して新たな音楽性を創造していく」という意味も込められており、まさにそれを体現した、バンドの本質を表現するような楽曲だと言える。このグルーヴとバンドサウンドはかなりクセになる。今や誰もがそれぞれに好みのプレイリストを作成して音楽を楽しむ時代だが、その時代にあって、様々なジャンルのミュージックフリークがリストにこぞって入れるであろう楽曲であり、こうした音楽がジャンルを超えて、広く受け入れられていく現在の日本のポップシーンは非常に健全なのではないかと思えて嬉しくなる。そこはかとなく漂う反逆性も魅力。(杉浦美恵)
『ROCKIN'ON JAPAN』2020年12月号より