藤井 風らしい飾りのない言葉で綴る。とかくきらめきばかりが語られがちな「青春」は、本当はとても厄介なもの。その儚さが自身の心を傷つけて過ぎ去っていくだけ。その本質を爽やかなポップミュージックとして聴かせる技量に、改めて藤井 風の視点の確かさ、技量を実感した。一方“へでもねーよ”は、まず古の映画か舞台劇のSEを思わせる不穏なイントロに否応無しに惹きつけられると、一転してデジタルなビートをバックに歌い出す展開。この楽曲には藤井 風のまた新たな一面を見ることができる。強く吐き出されるような日本語のリズム、そしてファルセットで感じさせる束の間の解放感。そこから低音の《へでもねーよ》のリフレイン。言葉がそのままリズムやビートになっているような歌だ。この緩急自在の展開は圧巻。中毒性が半端ない。(杉浦美恵)
10月に行われた自身初の日本武道館公演で初披露された新曲、“へでもねーよ”と“青春病”が、それぞれデジタル作品としてリリースされた。《青春はどどめ色/青春にサヨナラを》と歌う “青春病”は、美しいメロディとは裏腹に、その渦中にある者の苦悩を2曲同時リリースに見る新機軸
藤井 風『へでもねーよ』『青春病』
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