ドラマ『時をかけるバンド』のオープニング曲“オレンジ”、エンディング曲“pray”の2曲を表題曲、劇中使用曲“衛星”をカップリングとして収録した、両A面&トリプルタイアップシングル。“オレンジ”の爽快なポップの躍動感、ピアノの響きをフィーチャーした“pray”の凛とした透明感、気怠さと純真さが渾然一体となったオルタナバラード“衛星”……石野理子のボーカリゼーションが三曲三様に放つ鮮烈な色彩感は同時に、他でもないソングライター=津野米咲自身の中にあるイマジネーションの投影でもある。新体制の狼煙的作品『消えない – EP』、4人の「新たな音楽有機体」としての機能性に満ちた最新アルバム『THE PARK』を経て、さらに密度とダイナミズムを増し続けている赤い公園の「その先」を指し示す作品であり、それこそ津野米咲のパーソナリティが今ここでリアルに息づいているような一枚だ。10月の突然の訃報を受け、「故人を偲ぶ」目線で作品に向き合ってしまうのはどうにも避け難いが、ここに鳴っているのは紛れもなく津野の、どこまでも誠実な音楽探究心と冒険心そのものだ。(高橋智樹)
「その先」への冒険心の結晶
赤い公園『オレンジ / pray』
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SINGLE