『Pt.2』も年内を予定

コモン『美しき革命-Pt.1』
発売中
ALBUM
コモン 美しき革命-Pt.1

2016年米大統領選の直前に『ブラック・アメリカ・アゲイン』を発表したコモンから、昨年10月の大統領選の4日前というタイミングで再び作品が届けられた。活動家であり詩人であるジェシカ・ケア・ムーアのスピーチをフィーチャーしたイントロで幕を開ける本作だが、サウンド的には音数を絞りつつリズムのズレを強調した歪ながら腰を打つグルーヴが基調となっており、ソウルクエリアンズと仕上げた初期の名作を彷彿とさせる。また、ザ・ルーツのブラック・ソートとマイクを回す“セイ・ピース”や、余裕のあるフロウとトラックが洒脱でいてポップな“ホワット・ドゥ・ユー・セイ”など、大半の曲のコーラスで女性シンガーであるPJの柔らかな歌声が配置されているのも、本作の特徴のひとつ。彼女が作品を通じてコモンとほぼ同等の重要な役割を担っていることが、彼のメッセージにより膨らみのある説得力をもたらしているように思う。

客演には、さらに大物の名が連なる。タイトル通り「勇気」について丁寧に言葉を紡ぐ“クレイジャス”では、『ブラック・アメリカ・アゲイン』に続きスティーヴィー・ワンダーが参加しており、曲終盤で実に感動的なハーモニカを聴かせている。不穏なビートと切迫感のあるラップが絡み合う“ア・ライオット・イン・マイ・マインド”では、パブリック・エネミーのチャックDがマイクを持ち、またコーラスをレニー・クラヴィッツが務めており、こちらも実に効果的だ。本作について、「人種的不公平やその他の社会的不公平を解決しようとしているリスナーを高揚させ、癒し、鼓舞することを意図した」と語るコモンだが、たしかに参加した全ての人間があるべき場所でやるべき行動を取り、最良の結果を導いている本作は、その思想を具現化したものであると言えるのではないか。(長瀬昇)



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ディスク・レビューは現在発売中の『ロッキング・オン』4月号に掲載中です。
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コモン 美しき革命-Pt.1 - 『rockin'on』2021年4月号『rockin'on』2021年4月号
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